Current Exhibition

空へと還るⅦ

SASATANI Teruo

2024.11.2 - 2024.11.24

Current Exhibition

空へと還るⅦ

笹谷 晃生 展

2024.11.2 - 2024.11.24

13:00 - 20:00

作家在廊日:
11/2(土)11/24(日)

火屋ほやは、もとは香炉や手あぶりの上を覆う蓋や香炉そのものを指した。またその後はランプなどの火を覆うガラス製の筒の名称にも使われた。江戸時代には針金を編んで作った鉢植え植物の保護装飾具のことも火屋と呼び、珍しく高価な植物に被せて保護するとともに格調高く展示する役割も果たした。
 中学生の頃、祖父が板金屋に依頼して30cm程の四角い焼き網を縦に3枚つなげた鳥籠を作ってもらい、その籠でヤマガラを飼っていた。この時の見慣れた焼き網から作り出された鳥籠とその空間が強く印象に残った。
 大学卒業後に園芸店で働いていた時に松葉蘭に出会い、その変わった姿に興味を持ち調べてみると江戸時代に大いに流行ったことがわかった。その時に万年青や石斛などとともに、針金を編んで作られた火屋の絵を見た記憶があった。その後、京都に行った時にたまたま京金網の店の前を通りかかった際、初めて実物の火屋を見た。その姿に惹かれて、いつかは銅や鉄の針金を自分で編んで作品に取り込みたいと思った。

 そう作家は話す。それらが今回、制作した「火屋盆景」につながった。通気性、光透過性を確保しながら材料に形を与えて、空間を限定し取り込む意識から生まれた作品だそうだ。過去に得た経験が、長い時を経て美しく花開く。「過去が咲いている今、未来の蕾で一杯の今」とは河井寛次郎の言葉だが、過去が今に、真摯に制作に向かう現在が未来へと続いていくのだと、ひとしきり頷いた。

WORKS

WORKS

PROFILE

略歴
1977 東京藝術大学 美術学部 彫刻科 卒業
受賞歴
1998 第8回タカシマヤ美術賞
1992 第2回KAJIMA彫刻コンクール 金賞
個展
2021 空へと還るⅥ/LGallery/名古屋
2019 枯景の庭/Gallery301due/神戸
2018 空へと還るⅤ/LGallery/名古屋
小景の庭 三田/ギャラリーけやき/三田
2016 空へと還るIV/ L gallery/名古屋
小景の庭/Gallery301 due/神戸
枯草転生の庭/ギャラリー揺/京都
2015 枯木転生の庭/ Gallery301/神戸
2014 笹谷晃生作品展/ギャラリーけやき/三田
空へと還る III/ L gallery/名古屋
2013 景観の彫刻 野草園/ギャラリー揺/京都
景観の彫刻 点景/ギャラリー301/神戸市
2011 景観の彫刻-庭-笹谷晃生展/ 美濃加茂市民ミュージアム/美濃加茂
2010 ギャラリー揺/京都
空へと還るII/ L gallery/名古屋
グループ展
2019 12月合同展覧会/Gallery301/神戸
2017 合同展覧会/Gallery301/神戸
2015 12月合同展覧会/Gallery301/神戸
森に聴く、森の記憶/グランフロント大阪 谷岡学園梅田サテライトオフィス/大阪
2014 きそがわ日和2014 artwork in a book/ワンダーランド/美濃加茂
2013 GALLERY301 GROUP EXHIBITION 2013/Gallery301/神戸
ART OSAKA 2012/ホテルグランヴィア大阪/大阪
2012 GALLERY301 GROUP EXHIBITION 2013/Gallery301/神戸
BOTANICAL EXHIBITION/LGallery/名古屋
地平線から空へ/翔風館/名古屋
L’s favorites/LGallery/名古屋
2011 きそがわ日和2011/HÜTTE FURNITURE/美濃加茂
2010 exhibition Seitai/コジカラ村 古民家ざわざわ/長久手
LEXHIBITION /LGallery/名古屋